Waters Incブログ有限会社Waters Inc.代表の水に関するお役立ちブログ
浄水器の疑問Vol.1 塩素を除去しても危険はないか
2018/01/12
ブログ版 Q&A
記念すべき 第一弾はコレ
塩素が無かったら細菌が繁殖するじゃないか?
なにをかくそう日本一浄水器を否定してる私も
前々から気になってたトコでもあります。
長いこと水処理業をしてますから細菌も含めて
微粒子の捕捉や分離には慣れてます。
それに高価なエレメントをバクテリアアタックで
スクラップにされた恨みもあるんで微生物には気をつけてる。
細菌が気になる、って気持ちメッチャ分かります。
で、ソート―真剣に調査してきた内容なので、
折角だから様々なアプローチでお応えしたいんで
前置きが長~くなります…
「そんなんエエねん!答えだけ早よ言えヤ!」
て方のほうが多いでしょうから先に結論・・・
大丈夫です!
気にする必要はありません。(キッパリ)
こっから先は
水フェチ様しか興味ないかも (^^ゞ ◆まずは大前提 安全とは
「許容できないリスクが無いこと」で、
その前文は
「絶対安全は存在しない」って。(2014年改訂:国際基本安全規格) 「許容できないリスク」の評価は
発生頻度と危害の酷さの組合わせ
要するに
「メリットを獲得する為にどこまでリスクを容認するか」
バランスの問題ですね。
「いかなる場合も何が何でも100%許容しない!」
って人は浄水器を買っちゃいけません。
「日本人は安全と水はタダで手に入ると思ってる」
やら
「安全と言えば一切の危険が存在しないと思ってる」
なんて、外国から揶揄されてるのは知ってるでしょ。 たしかに、
ここはもうチョッとシビアに考えないと
いけない時代かな、って思います。 ◆では最初に
同じ塩素が無い状態でも、塩素消毒を省くことと、後から脱塩素することでは意味が違う。 水道が塩素を入れて給水するのは、浄水場から家までの配水工程で糞便性細菌の侵入を防ぐためです。
もすこし言うと、
万が一入り込んだとしても、管内で増殖をさせない為 殺菌だけなら紫外線・オゾン・膜分離など塩素以外に幾らでも方法はあるのですが、
汚染源の細菌は給水管路のどこから入ってくるか分からない。
だから残留性をもつ塩素で浄水場から
家までの長~い配水工程をプロテクト
してるんです。 もし塩素消毒を省いたりしたら、
コレラ・赤痢・チフスを網の目みたいに
張り巡らせた水道網が広範囲に感染を
広げてしまうのです。
日本は、過去にそれで千人万人単位の
死者を出した経験があります。
したがって、いかなる事情があろうと
塩素消毒を省くことは絶対にしません。 けど、塩素は使うときは邪魔なんです。
飲んだらマズイし
髪は溶かすし
アレルゲンだし
水道水を安全に届けた後は、
塩素はもう要らないから
浄水器を使って取り除こう、
ってわけです。
特に危険はありません。 有るとすれば高温多湿な場所に
何日もほったらかしておいた水を
飲んじゃった時でしょうか、
1日お腹こわしますヨ
第一そんなことをしたら塩素入りの
水道だって同じように腐ります。
塩素は防腐剤ではありませんからネ
◆次に
塩素を除去したあとに水道管内で菌が発生しないか。 密閉された配管内で
「無から有がはじまる」みたいな
神秘的なコトは起こりません。 自宅の水道管に穴があいてて病原菌が
侵入できる状態だとしたら別ですが、
水道管には水が充満してて隙間がない。
そして水圧はどんな怪力だとしても
人間の力では止まらない程かかってる。
そんな環境下で「無」から突如なにか
が出現したらオカルトじゃん。
◆ならば
発生は無いとして侵入の可能性ならあるか。 たしかに小さな穴が開いてたら
菌はそこから入って来ますが、
それは水道管がカラの状態に限定されます。
さっきも言ったように管内は満水充填
されてて、孔からは水圧によって水が
絶え間なく噴出してます。
この状態での菌の侵入は不可能です。
第一そんなことになってたら水道代は
跳ね上がるわ、
家はビチャビチャだわ、って大変ヨ。
水の心配してる場合やないヨ。
◆あるいは
野菜の水洗いに残留塩素の殺菌効果が無くなる。 コレって、なんとなくソレっぽく聞こえなくもないけど、
ホントかなぁ~、とっても疑わしい。 たとえば大根を水で洗ってるのは、
消毒殺菌じゃなくて
水流が引き剥がしてる
と、考える方が合理的なんですヨ。
というのも、
塩素(次亜塩素酸)が細胞壁を透過し
て内部の核酸(DNA)を破壊・無力化
するまでに30秒とか5分とか浸漬時間
が必要なわけです。 そんなモタモタしてる間に水のせん断力が細菌を流し落としてるゾ、
ということです。
実際、
畑で野菜を採って井戸で洗うだけの人って
昔から大勢いるけど、
誰もどうもなってない。 それに終端蛇口の塩素濃度に、
期待する様な殺菌力は有るのかな?
逆に期待する方が危険でしょ。
◆そもそも
細菌はゼロでなきゃダメなの?
水道水や市販の清涼飲料水は細菌数ゼロだと
思ってる人が大勢いると思います。
違うよ、ずっと前から。
食品衛生法も水道法も
1リットル中10万個もの細菌コロニー
を許容してます。
てか、このくらいの一般細菌は
大半の食品で許容されてます。
なんでかというと危害が無いからです。
けどまぁ1g中に1億個もコロニーがあったら
腐敗してますけど、
不衛生な状態で長期間放置しない限り
大丈夫でしょう。
指先には400万個以上の細菌がいるんですよ、
ペロッと舐めたら無数の細菌を食べちゃってます。
◆それと
大腸菌は1個でも危険か。 温血動物の腸内細菌で、一番数が多い
ので大腸菌が糞便性汚染の指標に選択
されてるんですが、
ほとんどの大腸菌には病原性はありません。(だからといって水に有ってイイということではありません。) ただ、貧栄養な水道水にあって、
残留塩素を除去することで上昇する
リスクなど取るに足らないと考えていい。
それに比べたら
包丁・まな板・布巾に潜む微生物リスク
の方が遙かに大きいですヨ。 ふ~っ、
そーとー真面目に書きましたヨ。 これまでに文献・書籍をはじめ博士・研究員・技術士・薬剤師・教授など大勢の人たちに教えてもらったコトです。
まっだまだお伝えしたいことは山ほどあります。チョッとづつ上げていきますネ
水処理システム設計 有限会社 Waters Inc.
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■油水分離・鉄マンガン除去ユニット製作
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